誘惑に負けないように


毎日会社から急いで帰って来てまずやる事は、風呂に入って息子のやった勉強の採点をする事。細君が水泳のトレーニングを終えた息子を連れて帰って来るのは、だいたい20時半過ぎ。それまでにそれを終わらせておく。二人が帰ってきてからやってもよいのだが、食事をしたりゆっくり話したりしていると、寝る時間が近づいて、眠くて採点どころではなくなる。先に済ませておいた方が間違えずに○×をつけてあげられる。

小学1年生の時から毎日勉強をする習慣をつけたので、漢字、国語の文章題、算数の計算問題、文章問題、新聞の書き写しなどを、学校から帰ってトレーニングに行くまでの間に着実にこなしている。短時間で行うので、よほど集中してやらないと終わらない。マサイはそれを採点し、間違ったところは再考するように赤ペンを入れて机の上に戻して置く。6年生にもなると難しくなって来ているので、時間がかかるしんどい作業である。しかし息子が一生懸命やっているので、こちらがサボるわけにはいかない。

ところが最近勉強に集中していないようだ。答案を見ていれば良く分かる。以前から見たいテレビが控えていたり、遊びに行きたかったりすると、心が上の空になって答えがいい加減になる。ろくに考えてもしないで答えを書いたり、途中で放り投げたりする。普段から「遊ばないで、勉強しろ」とは言っていない。やることをしっかりやったら好きな事をして良いという事になっている。その約束を破ると怒られる。

最近の集中しない原因はマンガだ。もとはといえばマサイが買ってきたもの。マンガは何でもあり、ということではなく、一つだけ読み続けているのがある。海賊もので、親子一緒に楽しめるコミックであるので、これだけは息子にも読ませている。週刊誌に連載中は読まないが、単行本が出るたびに買っていたら、あっという間に47巻になった。3ヶ月に一度位のペースで出るので、出たらすぐに買って来て、まずマサイが読む。次に息子、最後に細君、と回し読む。

基本的に持ち主はマサイであるので、リビングに置いてあったのだが、息子が部屋の片づけをしたついでに全巻自分の部屋に持って行ってしまった。長い物語であるが、実に巧妙に伏線が仕掛けられている。物語を構成する上でも良い勉強になる。前の方に今につながる箇所がたくさんあるので、息子は最近1巻から読み直し始めた。夢中になっている。

読みかけを机の上に置いておくものだから、気になってしようがないらしい。部屋をのぞくといつも読んでいる。問いただすと勉強はちゃんと集中してやっていると言うが、ちょっとやっては読み、またちょっとやっては読みしているので、気もそぞろになっている。朝も歯を磨きながら読むものだから、学校へ行くのが遅くなっている。

マサイも子どもの頃はマンガが好きだった。当時週刊少年マンガは5誌あって、その全部を発売日に本屋の店頭で読んでいた。特に「サイボーグ009」が好きで、単行本で繰り返し読んでいたが、親が一緒に読んでくれたという記憶はない。マンガを読む事に対して快く思っていなかったといった方が合っている。世代的な問題なのだろうが、マンガに対して好意的な考えはなかったようだ。

好きが高じて漫画家になりたいと思っていた時期もあったが、マンガを描いていて良い顔をしてくれるわけがない、そんな時間があったら単語の一つも覚えろ、ということになる。テストの成績が悪いとマンガを読んでいたせいにされ、マンガなんか、とそれ自体を否定される。

細君も同じ。親の前では絶対マンガは読めなくて、隠れて読んでいたと言う。本も隠していた。見つかって、怒られて、捨てられた、その繰り返しだったと言う。親がマンガを理解するという事はなかったようだ。

息子の場合は勉強への影響が出てきているので、今のうちに注意しないといけない。マサイは自分たちの親のように、理解せずに否定する事はしたくない。勉強に集中しない事について、3人で話し合い、息子にゆっくり言い聞かせる。これはサタンの誘惑に違いない。机の上に置いておくと、「読まないのかい?」「おもしろいよ〜」「先が知りたいだろう」と話しかけてくる。巧妙な手口だ。この誘惑に乗ってはいけない。

キング牧師の伝記が読みたいと言うので買ってあげると嬉しそうにしていた。今読んでいるシャーロック・ホームズの短編集を早く読み終わらせて読みたいと言う。一日の中で暇になる時間のない忙しいスポーツ選手であるが、あらゆることから、いろいろなことを学びとって欲しいと思う。

ヤコブの手紙1:14
人はそれぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです。

ガラテヤ人への手紙6:4
兄弟たちよ。もしだれかがあやまちに陥ったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。また、自分自身も誘惑に陥らないように気をつけなさい。

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