「良い証しと伝道になるように」


マサイは高校大学時代の友達と毎年末に会合を行っている。一年間に読んだ本や見た映画、聴いた音楽をまとめたものを交換し合う行事で、もう35年も続いている。昨年末もいつもと同じように元気に顔をそろえた。
雑談をしてから始めるのだが、定年が見えてきた年齢の悩みごとはだいたい同じである。一人は昨年夏、実家に戻って母親と同居を始めた。一人は実家に母親が一人でいるが、スープの冷めない距離に住んでいるのでいつでも飛んで行かれる。マサイも同居計画があるので、いろいろ聞いてみる。一番聞きたかったのは、どうやって同居しているのか、毎日の食事の事、光熱費や日用品の支払いの事、介護の内容。
作夏同居を開始したのは、実家をリフォームしてから引っ越しているので、からの空間に荷物を移した。それまで都内に購入したマンションに住んでいたのだが、それは貸すことを考えているという。からの空間に移ったというのはうらやましい。マサイの場合は二親ともいるので、その荷物を片づけて、我々の移る空間を作ることに大変な思いをしている。何より母親が持っている衣料品の多さに驚く。服も靴もいつこんなに買っていたのか誰も知らない。その母親は物忘れの症状が出て来ているので、片付けてもらうわけにはいかない。父もどうしてよいか分からない。勝手に捨てるわけにもいかず、片付けは難航している。
日常のお金の精算はどうしているのか。通帳を預かるべきかどうか。皆お金についてはいろいろな逸話を持っている。オレオレ詐欺はみな体験しているようで、親が騙されかけたという。年代的にそうなのか、マサイの親は銀行のキャッシュカードを持っていない。銀行の店舗が開いている時間に行かないとお金の出し入れはできない。代わりに行ってあげるからキャッシュカードを作るように説得して、銀行に問い合わせたら、既に発行済みだと言われる。どこかにあるのだ。父は以前コンビニで買い物をしている時に、財布をカウンターに置き、気付いて戻った時には、既になかったという。心配の種は尽きない。光熱費はレシートで分けて後で精算するのも一つの方法だが、食費はどうする、科目で分けた方が良いのか。食事は毎回作るのか。マサイが帰る時間は遅いので、時間を合わせて一緒に食べるのか。二度に分けると細君の負担が大きくなる。
 マサイはずっと家の中に年寄りがいない環境で過ごしてきた。祖父母の介護はどうしていたかを思い出してみる。マサイは直接自分の父親がどう面倒を見て来たかは知らない。基本的に双方ともに長男がずっと同居していた(マサイの父は次男である)。介護が必要になって、兄弟やその奥さんが交代で通う日があったが、免許も持っていないので、病院へ車で送迎するという事もなかったように思う。
  昨年同居を持ちかけて後、実家に帰るたびに片付けをしているのだが、だんだん気が重くなってきた。我々が触るわけにはいかないところについて、父親はぼちぼちやっておくというのだが、次に行っても何も変わっていない。無理矢理に動かして整理をすると、その配置が気に入ったというメールが後で来たりする。ぼやきや泣き言は絶えずあるが、それを聞いていろいろ調べて良かれと思って我々がしてあげることは受け入れない。何だかんだと言い訳をする。何かをしてほしいのではなく、ただ聞いていれば良いらしい。
 1月の片づけではあまりの物の多さに細君は途方に暮れ、精神的に混乱させてしまった。悪いことをした。片付け優先で親とゆっくり話している暇もなかったので、同居についてマサイが考えているイメージをまとめ、日常出入りする生活費の話、出来ることと出来ないこと、最低限これだけはしてほしい(してほしくない)という我々の希望について文章にして渡してきた。お互いの同居という言葉の持つイメージがかけ離れていると、こうしてくれると思っていたのに、と相手に求める希望が大きくなり、一緒になった後で嫌な思いをする。考えうる限りのことをまとめたのだが、これについての話し合いは2月以降のつもりでいるらしい。
聖書にある通り、親を敬うことは当然のことだと思っているが、なかなか先が見えて来ないというのが正直なところである。自分でも親のしてきたことを見て来ていないだけに想像もつかない。想像がつかないので悩むことが多い。だから同居については毎日祈り続けている。これが良い証しと伝道になりますように、神様、知恵を与えて下さい、神様のご計画を示して下さい、最適な道へ導いて下さい。お互いが楽しく過ごせますように、この機会を祝福して下さい。宜しくお願いします。

エペソ人への手紙
1:17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。
1:18 また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しにより与えられる望みがどのようなものか、聖徒たちが受け継ぐものがどれほど栄光に富んだものか、
1:19 また、神の大能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力が、どれほど偉大なものであるかを、知ることができますように。

3:15 天と地にあるすべての家族の、「家族」という呼び名の元である御父の前に祈ります。
3:16 どうか御父が、その栄光の豊かさにしたがって、内なる人に働く御霊により、力をもってあなたがたを強めてくださいますように。
3:17 信仰によって、あなたがたの心のうちにキリストを住まわせてくださいますように。そして、愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、
3:18 すべての聖徒たちとともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、
3:19 人知をはるかに超えたキリストの愛を知ることができますように。そのようにして、神の満ちあふれる豊かさにまで、あなたがたが満たされますように。