「静脈瘤の手術をしました」


モロッコへ旅行に行ったことについては先月号に書いた。楽しい旅行だったのだが、一つ後を引く問題ができた。
行き飛行機の中では、せっかく仕事から離れたので液晶画面類から解放されて目を休めたいと思って、座席の前についているテレビも見ず、本も読まずにひたすら寝ていた。あまり動かなかったらしい。細君によると、あんまり動かないで寝ているので、心配になって鼻の前に手を持って行って、息をしているかどうか何度も確かめたという。機内では靴を脱いでスリッパで過ごしていたのだが、動かなかったのが悪かったのか、左ふくらはぎの真ん中からやや下の部分に痛みが生じて、気になって眠れなくなった。マッサージをしたり、トイレに立った時にストレッチをしたりしたのだが、症状は変わらず、患部を押すと痛い。
現地に着いてからは気にならなくなった。歩くのに支障はないので、観光に夢中になっているうちにそのことを忘れてしまった。しかし帰りの飛行機でまた痛み出した。すわ、エコノミークラス症候群か、と細君が心配している。血栓ができて、それが肺動脈に流れ込み、血管を塞いでしまうと呼吸困難を起こす、ということになったら大変だ。心配しだすときりがない。こういう時には、まず神様に祈る。祈れば安心できる。痛みを気にしないようにして、祈り続けていた。
帰国後すぐに細君が総合病院に予約を取ってくれた。血管外科と、何やらものものしい。診てもらうと、エコノミークラス症候群は左足になりやすいが、その場合は足がパンパンに腫れるという。血管は本来逆流しないように弁が働いているのだが、その弁に異常があって血液が逆流したことによって静脈瘤ができたのだという。元から左足には気持ちの悪い血管の凸凹があったのだが、そこが詰まっているために、今回はその下の部分に同じようなものができてしまったらしい。深部静脈でなく小伏在静脈なので、固まった血液が移動することはほぼほぼない、と聞いて安心する。
翌週エコーを撮る。画面を見ると、血液が逆流しているのが分かる。右足は問題ないという。今後出来ないようにするために、詰まった血管上部をレーザーで焼き、今回新たにできた部分から固まっている血液を抜く、という手術をすることになった。1泊2日でできるというので、12月の頭にやってもらうことにした。
細君に病院まで送ってもらい、受付から病室に行って、点滴の針が腕に入った後、すぐに手術室へ。最新機器が並んでいる部屋で、担当医と看護婦さんの2人でやってくれた。患部に部分麻酔をしてうつぶせになっているので、意識はしっかりしているが何をやっているか分からない。リラックスさせるためか、3人で和やかに話しながら手術は進んでいく。途中痛みはないが、力いっぱい何かを引っ張っているのが分かる。
病室を出てから戻るまで1時間15分かかっている。思ったより長い手術だった。しかし麻酔が切れた後も痛みはなく、午後からはずっと病室で横になって本を読んでいた。病人という気がしない。ずっと祈っていてくれた細君は、マサイの普段通りの姿を見て安心していた。
翌朝には退院。圧力ストッキングを1週間着用、痛み止めを4日間服用、という指示だけ。あとは歩いてかまわないという。一カ月後に検診をすることになった。ふくらはぎなので、電車の中で後ろから患部を蹴られたり、鞄をぶつけられたりしないように、扉に背中をつけるようにして身を守っていた。縫ったわけではないので傷口が開く心配はないのだが、用心しながらゆっくり歩いていると、都会のスピードについていかれない。右から左からの人の移動がこんなに速かったのかと驚く。とてもかわしていられない。しばらくは怖い思いをした。
様子を見て走ってもかまわないと言われたが、用心して2週間走らずにいた。その後走ってみたが問題ない。手術をすると足がつりにくくなる、と言われていたので却って安心して走れている。  この時期読んでいた聖書の箇所が、実に力強かった。

イザヤ書
44:6 イスラエルの王である【主】、これを贖う方、万軍の【主】はこう言われる。「わたしは初めであり、わたしは終わりである。わたしのほかに神はいない。
44:7 わたしが永遠の民を起こしたときから、だれが、わたしのように宣言して、これを告げることができたか。これをわたしの前で並べ立ててみよ。彼らに未来のこと、来たるべきことを告げさせてみよ。
44:8 おののくな。恐れるな。わたしが、以前からあなたに聞かせ、告げてきたではないか。あなたがたはわたしの証人。わたしのほかに神があるか。ほかに岩はない。わたしは知らない。

46:3 ヤコブの家よ、わたしに聞け。イスラエルの家のすべての残りの者よ。胎内にいたときから担がれ、生まれる前から運ばれた者よ。
46:4 あなたがたが年をとっても、わたしは同じようにする。あなたがたが白髪になっても、わたしは背負う。わたしはそうしてきたのだ。わたしは運ぶ。背負って救い出す。

46:9 遠い大昔のことを思い出せ。わたしが神である。ほかにはいない。わたしのような神はいない。

自分が祈り、求めている方のあまりの偉大さ、計り知れない大きさを改めて知るような思いで読んでいた。同時にこの上ない安心感を持てた。主は素晴らしい。痛みの発生からあっという間に解決してくださった癒し主なる神様に感謝。