「両親と同居します」


定期的に細君とマサイの実家を訪問している。父は心臓近くの血管の詰りを除去する手術をした後、術後の検査で良好であるという診断を受けている。市の検査で母が肺がんの疑いと言われて再検査をしたが、こちらも見えた白い影は癌ではなかった。で安心して生活をしているのかと思っていたら、父がまた具合悪そうにしている。食後数時間すると気持ちが悪くなるというので、胃カメラを飲んで診てもらうと、真っ赤にただれているという。どこも悪くないのに、神経でそうなっている、と自己診断をしていた。立ちくらみもする、と今にも倒れそうで声にも元気がない。
原因は、最近2人の医者に今後のことを考えておいた方が良い、と言われたことにあるらしい。母は今相談相手が務まらないので、余計一人で抱え込んで思い悩んでいたようだ。実に表情が暗い。こういう場合、マサイにはっきり自分の希望を言えばよいと思うのだが、実に心細そうに「今後のことを考えろ、と言われている」と繰り返す。母は見た目元気で明るい。そばにいるのだが、聞こえていないのか話に加わってくることはしない。最近の話で、居間のソファに2人並んで腰かけていて、父が具合が悪くなって苦しんでいた時に、母がそれに気づかず、寝ていると思って何もしてくれなかった。もしこのまま自分の意識がなくなったら、2人はどうなっていたか分からない、と心配している。
マサイは一人っ子であるので、実家で同居して親の面倒を見る、という計画を細君とは立てている。これについてはずっと祈ってきて、二人の間での了解事項だが、細君ははっきりそう言ってあげた方が良いという。その方が安心するだろうというので、この訪問で言うつもりで来たのだが、着くなりすぐあまりに具合悪そうに何度も今後のことというので、順序立てて話し出す。
大学4年生の息子は、9月には幼稚園の年中から続けてきた現役水泳選手から引退する。そして9月末には寮を引き払って戻ってくる。就職活動は数社から内定をもらっているが、来年4月になって入る会社の配属先によっては、一緒に住めるかもしれないし、また独立するかもしれない。しかしその動きさえ決まれば今住んでいるところから動けるようになるので、実家に帰ってきて一緒に住む。ただ、仕事の具合で4.5月は動けないので、一年後の6月を想定している。
であるので、1階か2階どちらかを開けてほしい。というと、2階を開けるという。父もそれを望んでいたようで、実は今月から部屋の片づけを始めていたという。全て父が既に自分の中で考えてきたことらしく、答えがすぐに返ってくる。だんだん暗かった父の表情が緩んでくる。片づけていたら、なくなったと思っていた2人の年金手帳が出てきた。綺麗に片付いているだろう、と話す内容も肯定的になってきた。
昼食は野菜が足りていないということだったので、細君がいろいろ考えて作ってくれた。食欲も出たのかよく食べた。普段食べないと父が嘆くほどの母もしっかり食べた。帰る頃には父の表情もすっかり明るくなっていた。きっと胃の赤くただれたところもすぐに治ってしまうだろうと思われる。小田原から越谷市に越してきてほぼ30年。マサイが出てから27年になる。父がこの家に越してきたのがちょうど今のマサイと同じ年齢になる。マサイはこの家に3年しかいなかったので、今までずっと2人で住んできた家に一気に3人増えるかもしれないということになった。
来年父は86才、母は84才、さすがに放っておくには気になる年齢である。両親が喜んでいるのを見てこちらも少し安心した気分だったが、四半世紀以上暮らした場所からの移転は相当の覚悟がいる。ここの環境がとても気に入っているだけに辛い思いがある。リストにしてみると片付けなければいけないものがたくさん出てきた。それをこれから一年弱でやって行く。
マサイの人生での本拠地は大きく3つに分けられる。小学生以降学生時代を経て26歳までいた小田原市、結婚し子育てをし、息子を独立させるまでの川崎市多摩区、そして定年退職の日が近くなって埼玉県越谷市へ。今まで積み上げてきたものを全て一からまた積み上げ直しという状況になるが、今度は自分の最後に向けての積み上げになるのかと、明らかに老境へ向かうような思いがしてきた。
これから細君に一番面倒をかけることになるが、全て一緒に祈って来たことなので、これも神様のご計画であると信じる、と言ってくれた。同居することにより、両親に日常の生活の中で自然に福音が伝えられるようになる。移転した先でも教会から離れることにならないように、細君は友達がたくさんいる環境を離れるので、行った先でも同様に良い仲間がたくさん出来るように、同居や地方都市特有の近所付合いがストレスにならないように、新しく始まる生活が楽しいものとなるように祈っている。神様が示された道であるので、我々の計り知れない素晴らしいことが待っていると信じます。神様感謝します。


ローマ人への手紙
8章28節 神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。

箴言
16章1節 人は心に計画を持つ。【主】はその舌に答えを下さる。

箴言
16章3節 あなたのしようとすることを【主】にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない。