「地境を広げる時」


息子の大学から平成28年度父母懇談会の案内をもらった。就職状況説明とあったので、細君と行ってきた。大学全般、就職状況などについて説明、合わせて修学状況などに関する個別面談を通してご父母とのコミュニケーションを図るという。我が家は一人しか子どもがいないので、こういう機会も1回しかない。今まで貴重な機会は逃さないように、全て参加するようにしてきた。毎年変わる就職戦線について、活動、状況などの説明が聞けるものならと思って出かける。
マサイが学生のころ親が大学に行って説明を聞いたという記憶はない。時代は変わったようだ。35年前は学生向けの就職説明会を受けた後、授業に出ながら個々での活動になった。今のようにインターネットで何でも検索出来る時代ではないので、それぞれ自分の希望する職種について就職課で資料を閲覧したり、掲示物から情報を収集したりした後、直接企業に電話をして話を聞きに行った。
マサイが学生の頃は4年生の10月1日会社訪問解禁、11月1日入社試験解禁というルールが表向きはあった。一般企業は青田刈りでもっと前から内定を出していたようだが、マスコミはこの就職協定をかたくなに守っていた。そのマスコミを中心にした会社選びだったが、6月に母校の中学校で2週間教育実習をした後は、教師も良いなと考えがふらふらしていた時期もあった。会社訪問解禁初日の10月1日には第一希望の会社の玄関に1番で並び、面接が終わった後は次の会社へ急いで移動し、翌日は別の会社を訪問、など充実した就職活動であった。求人は1社で3人とか極端に少なかった。就職難の時代であったことは間違いない。結果全滅であったのだが、行きたい会社へのアプローチを無理だからと最初からあきらめてやらなかったということはなく、やるだけやっての玉砕なので充実していて悔いはなかった。
成人式も済んだ大学生のことなのだからもう親の出番ではないだろう、といってそんなに集まらないだろうと思って会場に行ったら、参加者がたくさんいるのに驚いた。全体会で前年度の就職状況と就職支援情報の説明があった。数日前の報道では、前年度の就職状況が向上しているとあった。将来やりたいことを既に見つけて目標を持って入学した学生が、そのために積極的に資格を取るなどの大学生活を送っているという事例を紹介していた。そういう学生は少数派だと思うのだが、将来やりたいことを見つけるのが大変なのではないかと思う。20歳時点で自分の未来についてのビジョンを確かに持っている学生がどれほどいるか。
企業を選択する時に、全国あまたある企業から如何に自分にとって最適な会社を選ぶのかは大海に釣り糸を垂れるに等しい。TVCFで流れる会社くらいしか社名を知らないというのが現状だろう。そういう会社には求人学生も集まり、人気企業となるだろうが、入社後の労働環境が全て優良企業だとは考えにくい。かえって表には出ない優良な会社はたくさんあるはずだ。これからの一生託すに値する会社選びに息子はどうやって立ち向かっていくのだろうか。今話題のブラック企業などには絶対引っかかってほしくない。マサイは毎日神様の御心にかなった、息子にとって最適な就職先を、と祈っている。
入学してちょっと落ち着いたと思ったら、もう就職という話になった、という印象である。マサイの会社に訪ねて来る金融関係などの若い担当者を見ていると、息子はどんな社会人になるのだろうかといつも考えてしまう。数年後には息子もこうやって取引先を訪問するのだろうか。就職活動スケジュールは経団連の指針によるらしい。就職活動開始時期や、内定が出る時期などが毎年変わっている。しかし外資系は経団連に所属していないからその対象外となるなど、ルールはいろいろあるらしい。前年には「オワハラ」という新語も聞くようになった。マサイは企業の採用担当でもあるので、採用する側の気持ちも分かる。企業がどんどん新卒を募集できる時代ではない。
全体会の後、学部別の説明になる。ここでは大学院の案内もあった。次に学科別に会場を移して、具体的な話を聞く。役に立つことも聞けた。そんなこと、という類の面接、訪問時についての注意だが、この日の一番の収穫だった。個別面談は希望しなかった。そこまで心配はしていない。終了後キャンパスランチ体験チケットをもらったので、明かりが良く入る綺麗な広い学食でハッシュドビーフを食べて帰って来た。
ご子息ご息女が何を目指しているのか、何が将来やりたいのかを御家族内でよく話し合ってください、と言われた。今まで将来の安易な計画についてなら何度か聞いたことがある。息子はいったい何がやりたいのだろう。どういう社会人になりたいのだろう。ゆっくり話し聞く時間を持った方が良いのかもしれない。しかし逆に親の先入観が全く入らない状態で選ばせてあげたいという気持ちもある。企業選びは親がどうしろこうしろということではないし、本人がやりたいということに制限をかけることも絶対にしたくない。納得するまでやればよい。ただマサイの経験からして、途中で職を変えるのは、最初に職を得るより大きなエネルギーを使うので、出来ることなら最初から転職を考える必要のない企業に入ってもらいたい。
既にスポーツ選手として全国区に広げてきた地境だが、いよいよ親の庇護下から完全に離れて自分の地境を別世界で広げて行く時がやって来る。クリスチャン社会人として立派に成長していってもらいたい。親はそのことについて祈り続けます。神様が息子に持っている計画を示してください。そしてそれに従うことができるように導いてください。神様、祝福してください。お願いします。

第一歴代誌 4:10
ヤベツはイスラエルの神に呼ばわって言った。「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあり、わざわいから遠ざけて私が苦しむことのないようにしてくださいますように。」そこで神は彼の願ったことをかなえられた。

箴言
16:3 あなたのしようとすることを【主】にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない。