「引き継いでいくもの」


両親に5月の連休に実家へ行くがいつがいいかと伝えたら、いつでもOKだという返事と一緒に、「相談事、頼みたいことがいろいろあります。相談事の詳細は数日のうちに事前メールします。」という返信が来た。改まって嫌だなと思っていたら、後日またメールが来た。相談事とは「相続税」に関することだった。
「平成27年1月より基礎控除額が4割引き下げられる改正案が決まりました。都市部に一軒家を所有する者は相続税がぐんと増える予定です。今年までは法定相続人2人の場合の基礎控除額は7,000万円で、ほとんどの庶民は相続税を免れているが、来年からはその額が4,200万円に引き下げられます。

マサイの実家は埼玉県の一軒家である。マサイは一人っ子なので、父の法定相続人は母とマサイの2人。両親は法案が決まっていろいろ考えたらしい。今までも相続について心配はしたことがあるが、聞いた人達からは取られたことがないという返事ばかりだったので安心していた。マサイも連休の前までにと急いで改正後の相続税の本を買って読んでみた。国税庁のホームページからもいろいろ取り出してラインマーカーで線を引きながら読んだ。確かに来年1月から大きく変わるらしい。
相続税の納付は死亡後10ヶ月がリミットで、現金での納付とある。払えない場合はやむを得ず家を売却して、ということにつながるらしい。読んだ本には急に対象者が増えることになるので、問題は大きくなると書いてある。受け継ぐものといって財産がたくさんあるわけでなく、土地と25年以上前に建てた家屋と生命保険の死亡保険金だという。父が内容を綺麗にまとめておいてくれた。ところが首都圏の土地は、東京オリンピックの影響で評価額が上がるかもしれない。評価額が上がれば、税金も上がり、高額な相続税が発生するかもしれない。その時になってみないと分らないことが多いので、心配ばかりが湧いてくる。
息子が手を離れたかと思ったら今度はまた新たな問題が発生した。息子の学費で財布の中は何も残っていない。幸いまだ両親ともに元気なのですぐにという話ではない。覚悟をしておけ、と考えてくれているだけでも有難い。法的なことはよく分らないが、決まってしまったものには従わなければならない。相続することに間違いはないのだ。
こういう場合、一番力強い味方、主にお祈りすることから始める。祈って望むことで神様の御心にかなった行動ができる。聖書には相続という言葉がたくさん出てくる。我々は人の世の相続の前に、神様からの約束で既に神の相続人としていただいている。こちらは税金が払えるかどうか、払えなかったら相続できないかもしれない、と心配をすることはない。

テトスへの手紙
3:7 それは、私たちがキリストの恵みによって義と認められ、永遠のいのちの望みによって、相続人となるためです。

ローマ人への手紙
8:17 もし子どもであるなら、相続人でもあります。私たちがキリストと、栄光をともに受けるために苦難をともにしているなら、私たちは神の相続人であり、キリストとの共同相続人であります。

我々は神様の子であり、相続人である。この世の相続は一生にそう何度もあることではない。親から我々への相続ということに合わせて、次に我々の分を息子に渡す時のことを考えてみた。我々親の役目は、財産ばかりでなく、信仰も、神様の相続も次の世代に確実に引き継いで行くことである。それが一番大切なことであると、責任の重大さを感じた。この人の世の相続ということを通して、神様の相続人であることをじっくり考える機会を与えてくださったことに感謝します。