天国人


マサイはサラリーマンである。ある日取引先の社長の自宅に伺った時、社長はテレビで小田原競輪の模様を見ていた。「8,9,10レースを買ったから、ちょっと待てって」と言われて一緒に見る。その時の会話。

「マサイさんは競輪やるの?」

「いえ、やったことないんです」

「じゃ、競馬は」

「まったく分からないんです」

「当然競艇も」

「はぁ」

「マージャンは?」

「出来ないんです」

「えーっ!花札とか、カードとかは?」

「賭け事は全く…」

「パチンコくらいするでしょう」

「いえ、それもやったことないんです」

「酒は飲むんでしょう?」

「飲めないんです。アルーコール分解酵素がないって、人間ドックで言われました」

「タバコは?」

「22歳でやめました」

「じゃ、女だけか」

「女房だけです」

「・・・あんた。何が楽しくて生きてんの?」

この取引先の社長は奇異なものでも見るような眼で見ていた。

伝道者の書2:1 私は心の中で言った。「さあ、快楽を味わってみるがよい。楽しんでみるがよい。」しかし、これもまた、なんとむなしいことか。

箴言21:17 快楽を愛する者は貧しい人となり、ぶどう酒や油を愛する者は富むことがない。

ローマ8:35 私たちをキリストの愛から引き離すのはだれですか。患難ですか、苦しみですか、迫害ですか、飢えですか、裸ですか、危険ですか、剣ですか。

 「マサイさんってどんな本読んでるの?」

「聖書です」

「…」

 ピリピ3:20 けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。

 そう私達はこの世にあっては異邦人なのです。マサイはこういう会話の後、異邦人である事の喜びに満たされたのでありました。

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