しっかりやります、神様


進級新入学の季節になった。歓送迎会の季節でもある。「今度○○へ行くことになりました。お世話になりました」、という挨拶メールや電話が来る。行く人、帰ってくる人の両方からである。昇進を伴うにしろ、伴わないにしろ、異動が発表される時期である。

実はマサイは11月に一度昇進を伴う辞令を断っている。転勤するものであったため、年老いた両親に何かあってもすぐにかけつけられない場所へ行ってしまうのが心配で断った。だからもう当分そういう話はないと思っていたら、3月5日に辞令が出た。別の辞令である。

入社以来27年、同じ営業系であった。部内で担当地区が変わったり、仕事が変わったりしたことはあるが、他部へ異動した事はない。同じ仕事を長くやっているので、これをどう発展させていくかということが腕の見せどころだった。仕事には自信を持ってやっているので、常に新しいものを取り入れて前に進んできた。昨年後半はデータベース管理システムについて本を読みながら、独学でシステム改善もしてみた。面白くなってきたところであるので、今年はこれをさらに進化させるつもりでいた。

それが全く他部への異動になった。外線の電話番号が変わるというのがとても新鮮だ。行き先は総務部で経理も担当する。マサイは文学部卒である。大学の一般教養でも社会は法学と社会学を取ったので、経済系は全く未知の領域になる。この仕事を始めた時に、初歩を教えてくれた人がいたのだが、今では貸借対照表という用語についての記憶がかすかに残るばかりである。

それでも数字は好きである。今の仕事も数字を扱うことが主であるのだが、ただ表の縦横が合うのが好きという程度。合って当然のことである。ただ合わない時にどこが違うのかを見つけるのが早い、というのが自慢である。それが今度は全社的な数字を見る。扱う金額の桁が大きくなった。

全くの素人なので、教えてもらうことは何でも素直に聞き入れる。元来新しいことを勉強するのは好きである。引継ぎの日程を決めた後に、前任者と本屋へ一緒に行って簿記のテキストを選んでもらった。毎朝早目に起きて、このテキストにラインマーカーを引きながらちょっとずつ勉強している。目からウロコのような面白さがある。

そんな話をしていたら、会計事務所の人が、簿記より財務諸表の見方が大切であると教えてくれた。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の読み解きである。これもすぐに入門書を買ってきた。用語から覚え始めているが、学んでみれば面白い。頭の中のメモリー残量が少なくなっているはずなのだが、何かを押し出しているらしく、何とか頭に入っている。

会う人は今まで営業系だったり、システム系だったりしたが、急に銀行系や財務系の人に変わった。引継ぎは短期間と限られていたので、とにかくメモを取って頭に詰め込んだ。そして何とか見よう見まねで月次関係の書類が出来上がった。しかし数字は出来たが、それが何を意味するかが分からない。ここの数字はどこを参照しているのか。えっと、こことここの数字を足しているので・・・。では、ここの数字にマイナスがついているのは、実際経営がどうなっているということを意味するのか。先月から急にこの項目の数字が減っている原因はどこにあるのか。

まだまだ自分のものにしていないから分からない、というのにいろいろ質問が来る。勉強することはたくさんある。でもやっていることは嫌いではない、面白い。神様はマサイが出来ると思って、この仕事を与えてくれたはずだ。神様がついているので絶対に出来ると思っている。そう思えると、負担も負担でなくなる。

またこの新しい仕事は、いつか教会運営の役に立つに違いないとも思っている。神様の計画はここにあるのかもしれない。しっかりやります、神様。

エレミヤ書 1:5〜10
「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々への預言者と定めていた。」
そこで、私は言った。「ああ、神、主よ。ご覧のとおり、私はまだ若くて、どう語っていいかわかりません。」
すると、【主】は私に仰せられた。「まだ若い、と言うな。わたしがあなたを遣わすどんな所へでも行き、わたしがあなたに命じるすべての事を語れ。
彼らの顔を恐れるな。わたしはあなたとともにいて、あなたを救い出すからだ。──【主】の御告げ──」
そのとき、【主】は御手を伸ばして、私の口に触れ、【主】は私に仰せられた。「今、わたしのことばをあなたの口に授けた。
見よ。わたしは、きょう、あなたを諸国の民と王国の上に任命し、あるいは引き抜き、あるいは引き倒し、あるいは滅ぼし、あるいはこわし、あるいは建て、また植えさせる。」

月刊マサイで引用している聖書本文は、新改訳聖書第三版(©新日本聖書刊行会)を使用しています。
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