寮生活はイエス様と一緒に


息子の高校2年生での生活も半分以上が終わってしまった。本人もそのことで寂しそうにしている。3年生の話を聞くと、一つ一つ学校行事が終わっていくのが寂しいという。中学の3年間より、高校の3年間は格段に早い。

学校では何度目かの進学指導があった。真剣に進学先の志望校を考えないといけない時期に来ている。息子は大学に入っても水泳を続ける決心をしているので、今まで14年間泳いできた集大成として輝ける場を選ぶことになる。大学の体育会といえば、マサイの頃は詰襟の黒い学生服(上着のみ)を着ていたものだが、今はそんことはないらしい。

勉強も運動も高校生までやってきた以上にハードなものになるようだが、一番変わるのは住環境である。近所の大学であろうが、遠くの大学であろうが、体育会運動部は寮生活になる。人生のこの時期、親元を離れての寮生活は、現コーチもすすめている。本人もそう言われているので覚悟はしているらしい。別世界に入ることになるが、同じ目的を持った仲間たちとの共同生活なので、全くの異次元世界ではないかもしれない。

では、実際にどんな環境か見に行ってみようと、志望大学の文化祭に親子3人で出かけた。息子は大学が全く初めてというのではない。しかし普段は、近所の大学のプールで大会があったり、別の大学のプールでの練習へ行ったり、というものなので、ゆっくりキャンパスを歩くことはない。

予想はしていたのだが、文化祭なので人がいっぱいいて、模擬店もいっぱいあって、日常のキャンパスとは全く違った状況であった。マサイの母校ではなかったが、マサイのイメージするところと違って、校舎は近代的な高層ビルだし、学食は綺麗で美味しそうだし、何よりトイレの個室が洗浄機付きだったのに驚いた。30年も経てばこの変化は当たり前か。学生たちが、若さの持つ、弾けるような独特なエネルギーを発散して輝いていた。楽しいだろうなぁ、とこれからこの世界を自分のものにできる息子が羨ましくなった。

郊外のキャンパスへも行ってみた。ここも建物がみな綺麗だ。校舎の一角に50mプールがあった。外プールなので、冬は使えないだろうが立派なものだ。学校の授業で使うわけではないので、水泳部だけのための施設ということになる。有難いものだ。

隣接してちょっと形容のしようがない2階建ての建物があった。水泳部寮という看板がかけてある。プールのすぐ横だから、夏は朝早くから泳げる良い環境にある。男子寮らしい。見上げると窓のあちこちをダンボールで補修してある。住人たちは地方合宿へ行って不在だったが、玄関からのぞくと寮生の名簿が下がっていた。見た限りでは、洗浄機付きトイレが望めるような雰囲気ではない。

マサイも息子もホームページなどで紹介している寮の写真を見ているので、小奇麗なワンルームマンションを想像してきたわけではないのだが、いきなり現実を突きつけられて、戸惑ってしまった。一人息子なのでマサイがあまりに大切に育てすぎたせいもあるのだが、頭の中で息子とこの環境がマッチしない。4年もいれば慣れるのだろうか。今迄親の価値観の中で育ち、それが当たり前というより、その他を知らずに育ってきた息子は、世の中には違った価値観もあるということをここで学ぶのだろう。2人1部屋になるのだろうか、4人で1部屋か。

まだこの大学に決まったわけではないが、どこの寮もあまり変わらないだろう。マサイは寮生活をしたことがない。親以外と一緒に生活をしたのは、結婚して細君との生活が初めてだった。その細君は留学先のアメリカで2人部屋のドミトリーというものを経験しているから、マサイよりその状況が良く分かっている。マサイよりショックが少なさそうだ。息子は何も言わない。ここに可愛い息子を入れることに抵抗があるのはマサイだけかもしれない。いい加減に息子を独り立ちさせる道筋を作ってあげることを考えたほうが良い。

ここに入るのは今まで親や先生、コーチ、顧問にあれこれ面倒を見てもらって、水泳に集中してきた18才の若者たちだろう。何不自由なく生活してきた彼らはここで何を学び、大きくなっていくのだろう。ここで成人して、社会人へと巣立っていく。その成長が楽しみでもある(笑われるであろうが、その成長を近くで見守りたいマサイには苦渋の選択である。イエス様が一緒に行ってくれるのだから息子の心配はないのだが、同時に始まるマサイの自立の方が心配である)。良い仲間と良い指導者に恵まれることを今から祈っている。

申命記 1:6〜8
私たちの神、【主】は、ホレブで私たちに告げて仰せられた。「あなたがたはこの山に長くとどまっていた。
向きを変えて、出発せよ。そしてエモリ人の山地に行き、その近隣のすべての地、アラバ、山地、低地、ネゲブ、海辺、カナン人の地、レバノン、さらにあの大河ユーフラテス川にまで行け。
見よ。わたしはその地をあなたがたの手に渡している。行け。その地を所有せよ。これは、【主】があなたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに誓って、彼らとその後の子孫に与えると言われた地である。」

月刊マサイで引用している聖書本文は、新改訳聖書第三版(©新日本聖書刊行会)を使用しています。
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