メールのやりとり始めました


実家でパソコンを買ったという。誰かにインターネットで病院を検索してもらって、それを見てあまりの便利さに驚いて欲しくなったらしい。

父は今までずっと原稿を書くのにワープロを使っていた。それも2代目に買い替えた時に、何でパソコンじゃなくて今さらワープロなの?と聞いたことがある。その時は使い方が慣れているから、という理由で前時代的な新しいワープロに向かっていた。文字打ち専門機種だから、余計な事を覚えなくても文字が書ければ良かったらしい。年をとってから全く新しいことを始めるのは難しいのだろう。ただ値段的にはパソコンと似たようなものだった。

それが今度はいきなりノートパソコンを買ったという。我々が正月に行く時に一緒にいじってもらいたくて年末に買いに行ったらしい。77歳の手習いだ。父の机の上に乗っていたが、宝物のように大切に扱っているのだろうな、ということが良く分かる。あいにく年末に買ったものの、ネットの工事が間に合わず電話回線がつながっていないために、肝心なインターネットとメール環境は見てあげられなかった。

その工事もやっと終わってメルアドを教えてもらったので何度か送ってみたのだが、返ってきてしまう。電話でのやり取りなので、どうもアルファベットがうまく聞き取れていなかったらしい。おまけにマサイもパソコンを変えたので、メルアドが変わっていた。やっと3月18日になってメールが送られてきた。

「二度も失敗しました。遅くなってすみません。ワープロのようにうまくいかず苦労しています。字が小さくて拡大鏡を使って確認する有様です。まずはご連絡まで。」

父から貰った第一号メールは、字から緊張がうかがえる。一生懸命打ったのだろう。妙に言葉が丁寧だ。それでも今までめったに電話もしていなかったので、コミュニケーション手段が増えたこと、気軽にこちらの報告を送ったり、写真を添付したりできることは喜ばしい。ただまだ送った写真を見るところまでは行かないらしい。

パソコンのことは全く苦手かと思っていたので、全部電気屋さんにやってもらいなさいとアドバイスをしていたが、父が何かを読みながらゆっくり設定をしているらしい。メルアドも「あまりにも単純過ぎるので3月に変更しました。」という連絡が来た。メルアドの中にちゃんと父母の名前のイニシャルが並んで入っている。仲良くやっているようで安心する。

「毎日の練習は字が小さくて難儀です。F(母)は杖代わりに四つ車を引いて元気に外出、今日も南越谷へ出かけています。元気がなにより。早春賦の歌詞のように遅い春が恨めしく思う毎日です。A(妻)さん。Y(息子)君によろしくお伝えください。(パソコンの)指導が受けられる日を楽しみに待っています。」

送ってすぐに返事がないと少し不安になるが、それでも一生懸命返信してくれる。これが脳の活性化につながり、老化防止に役立つかもしれない。親の近況が分かるので安心出来るのもよい。こちらも電話と違うので気軽に近況を報告出来る。今まで以上に頻繁に近況報告ができることは間違いない。

「春は名のみの風の寒さやー早春賦を思い出す陽気ですね。
昨夜は開かずに遅れてすみませんでした。パソコンは受信サインがないのが不便、外からでも分かると良いのにとブチブチ独り言。
Y(息子)くんの銅賞(書き初め)は立派、水泳とともに「力強い前進」(書き初めの題目)に感激しました。27日は水泳大会だそうで、全力投球がかなうよう応援しています。伝えてください。
こちらは寒さと雨で冬眠状態。桜咲くの日を待ち焦がれいます。パソコンはワープロと大分違い戸惑いながらも楽しんでいます。おばあちゃんは毎日Y(息子)くんの写真を観てにこにこ、元気かな が日課の言葉です。待っています。」

今までこんなに親の考えを聞く機会があったろうかと驚く。始めてみればこんな簡単に意思の疎通が図れるのかと、これもまた驚く。

3月31日はマサイの誕生日。細君と息子がバースデーケーキにろうそくを5本立てて祝ってくれた。素晴らしい家族を与えてくださった主に感謝する。ちょっと前までは必ず母から電話がかかってきていたが、妻と誕生日が近いので、妻の時に電話で一緒にお祝いを言われるようになった。今年は電話は来ないがメールでも来るかなとささやかな希望を持って開いてみると、誕生日の朝9時に送信してくれていた。親の愛情を今さら再認識する。

まずは母から
「お誕生日おめでとうございます。
体に気をつけて、大変な今の世の中を、妻子を守ってしっかり生きてください。
こちらは年相応の弱りはありますが、このごろインターネットで元気になりました。私はパパがマスター?したら教えてもらいます。
こんなに面白いものがあるのか、元気でいなくてはーと思います。
お父さん(マサイ)も、支えるA(細君)も、希望のY(息子)も,みんな元気でね。」

そして父から
「五十路に無事到達し、おめでとう。良い妻、良い息子の協力の賜物ですね。
こちらは 元気 気力 をモットーに、毎日、吉本興業の漫才師のように言い争い。これも脳の活性化のひとつと思っています。パソコンの指導を待っています。分からないことばかりです。」

メールの文章を通して楽しげなものが伝わってくる。両親の様子が見えるようだ。パソコンを前にして夫婦仲良くやっているのだろうなと思うと、こちらもほっとする。

親からメールをもらうのがこんなに嬉しいものだったとはと驚く。パソコンを通じて親子のコミュニケーションがとれ、深まったのはとても嬉しい。この月刊マサイもいつかエクレシアのホームページを開いて見られるようになるのだろうか。パソコンの上達が待ち遠しいですが、読んだら連絡下さいね。

ヨハネの手紙第一 4:12,13
いまだかつて、だれも神を見た者はありません。もし私たちが互いに愛し合うなら、神は私たちのうちにおられ、神の愛が私たちのうちに全うされるのです。
神は私たちに御霊を与えてくださいました。それによって、私たちが神のうちにおり、神も私たちのうちにおられることがわかります。

ヨハネの福音書 15:12
わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと、これがわたしの戒めです。


月刊マサイで引用している聖書本文は、新改訳聖書第三版(©新日本聖書刊行会)を使用しています。

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