親孝行?!


今年も大阪で行われた息子のスイミングクラブの全国大会に行って来た。4年前、この大会に出られるようになってから我が家は水泳一色になった。11月22日から3日間行われるので、学校へはクラブが用意をしてくれた欠席届を出して、選手は前日に新幹線で出かけて行った。新幹線のホームで見送った後、親は後を追うが、優雅に新幹線を使っていられないので、新宿発の夜行バスに乗って追いかける。

朝一で大阪に着くと近鉄に乗り換え、駅のロッカーに荷物を預けてプールへ。泳ぐ選手は大変だと思うのだが、見ている親達も実に大変だ。いつもの県大会では、朝5時頃に起きてお弁当を作り、一緒にストレッチをした後クラブまで送って行く。その後会場の外で席を取るための長蛇の列につき、席を取った後は一日中狭い座席で息子の出番を待つ。出番になるとビデオカメラで泳ぎを撮影し、ほぼ一日がかりなので、夜帰って今日の泳ぎについて反省会を開く。親としてもかなりハードな一日だ。大阪に場所が移ってもやる事にたいした変わりはない。

大きな大会が迫ってくると、試合の日まで選手に風邪をひかせてはいけない、怪我をさせてはいけないと気を遣い、試合当日は朝から落ち着かず、息子の出番が近づいてくるに従ってトイレに行く回数が増え、鼓動は速くなり、泳いでいる間は絶叫に近い応援をする。細君は出番前、あまりの緊張に急に無口になって倒れそうな時が有る。

50m自由形に出ていた頃は一番辛かった。30秒で決着がつくのだが、この30秒は血管がこめかみの辺りで切れてしまうのではないかと思うほどの緊張と興奮の中にいる。具合が悪くなるのではないかといつも思っている。終って安堵のため息が出ればよいが、どんよりとした気分で会場を後にすることもある。選手も辛いが、親も辛い。もう見に行くのをやめようかと考えたことも何度かある。最近は200mや400m自由形に出ているので、レース時間が2分、4分と長くなった。長くなった分気分的に少し楽になったが、最後の50mは変わらず同じような興奮状態の中にいる。

大阪で開かれる全国大会は毎年11月のこの時期にある。夏は8月末のジュニアオリンピックに向けての合宿や1日に2回練習などで家族旅行が出来なくなっているので、この遠征は有難い。大阪へ行かれるのは息子のおかげだ。大会がなければ行くこともない。試合は3日続くのだが、選手は別のホテルに泊っている。団体行動なので、あいた時間に連れ出すわけにはいかない。親子別行動になるので、レースのない時間や夜は細君と2人でゆっくり道頓堀やアメリカ村、新世界、鶴橋と見て回れた。美味しいものを食べたし、面白い発見もたくさんあった。これは全て息子のおかげ。

親はこれに感謝しないといけない。子どもが出来て、夫婦二人の時は考えもしなかったところへ行くようになった。今回の旅行は特に楽しかったが、二人でいる間も息子が一緒にいたらどんなに喜ぶだろうと常に話していた。いないと随分寂しいものだ。

これってもしかしたら我が息子は親孝行なの?と細君が言う。誰もが経験出来ないことをさせてもらって、行かれないところへも行かれて、もう十分親孝行してもらっている。細君もコーチも今回の400m自由形の試合では感動して涙を流していた。こんな感動はそう味わえるものではない。家族が一つになって同じ夢を見られるということは実に幸せだ。

親は感謝の気持ちでいっぱい。そんなことを言っても息子は何だか分からないような顔をしている。神様からもらった才能には親孝行も含まれているに違いない。神様、親孝行な息子を与えて下さった事を感謝します。

ローマ人への手紙8:32
私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された方が、どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう。

コリント人への手紙第ニ9:15
ことばに表わせないほどの賜物のゆえに、神に感謝します。

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