ワクチンを贈ろう


先月号と話が前後するようだが、これも4月初めの頃の話。

月曜日に中学校の入学式を無事に終えて、学ラン姿の息子が2.2kmの道のりを登校して行く。5階のベランダから歩いて行くのを見送っていて、立派になったなぁと喜ばしく思う。

公立中学とはいえ、越境したので知らない人ばかり。そんな環境なので、入学前は相当緊張していたらしい。夜寝た後に「怖い夢を見た」と何度か起きてきた。それでも入学式翌日には話すことが出来る子も増えて、だんだん家でも饒舌になってきた。

2日目は学活と学年集会だった。3日目にしてお弁当と授業が始まった。学校であったことを聞くのが楽しみで、夜のスイミングトレーニングから早く帰って来ないかとマサイも毎日待っていた。

夕食をとりながらその日にあったことを楽しく聞き出していると、教務主任に2つのことを提案したいという。小学校では缶ジュースのプルトップやペットボトルのキャップを集めていたが、中学校ではやっていないので、やってもらおうと思うと言う。内容を調べてメモ紙に書いていた。

1.缶ジュースなどについているアルミニウムのプルトップを600kg集めると、車椅子を1台買うことが出来る。

2.ペットボトルのキャップ800個で人一人が救えるワクチンを贈ることが出来る。

ペットボトルのキャップをはずすことにより、ペットボトル本体の再資源化率を高め、結果として、焼却処分される量を減らし、二酸化炭素削減に寄与する。はずしたキャップそのものを質の高い素材としてリサイクル業者に引き取ってもらい、その売却益でワクチンを購入し、世界の子どもたちの命を救うために活用する。

ペットボトルのキャップは回収粉砕すると、木材そっくりの素材で、地球環境のことを考えた素材であるエコマウッドに生まれ変わるらしい。これを売ったお金で発展途上国へワクチンを贈る。ボトルキャップ400個で10円になるので、800個分で1人分のポリオワクチンが買える。一人の子どもの命が救える。体育祭の時など、集まった親も含めて飲んだキャップを回収すれば、相当な量になるのになと思っていたので、実に良いアイデアだ。

早速木曜日に先生にメモを渡してきた。「一人の人の命が救えるとあっては、僕は黙っていられない」と言っていた。入学式から4日目。

土曜日に電話がかかってきた。細君が出たが、最初は聞き慣れない人からの電話で何かと思ったら、相手が教務主任なので驚いていた。「素晴らしい提案を貰ったので、福祉委員会の顧問(先生)に早速渡して学校として取り組むように話しを進めて行きます。必ず実現させます」と言う。すぐにということではないらしいが、前向きに発進するらしい。金曜日に連絡が出来なかったのを詫びていた。

先生が取り合ってくれたことと、その件でわざわざ電話をくれたことにびっくりする。先生の熱さを感じる。入学前から良い先生と良い仲間に恵まれるようにとずっと祈っていたので、早速の祈りの答えに感謝。

学年集会で、「何かあったら、学年主任にいつでも言って来て欲しい」という話でもあったのかと思ったら、そういうことはなかったらしい。人一人の命が救われるということに感じての自発的な行動だったらしい。実に立派なものだ。

ほんのわずかなことが命という大きな問題につながっている。折角気づかせてもらったのだから、行うのが御心だろう。

中学に入ったら、いっぱいいろいろなことにチャレンジしてみたいと言っていた。どんどんその世界が広がって行く。その広がりを受け止めてくれる中学だということが分かって安心する。

コロサイ人への手紙3:23
何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい。

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