いろいろやりたい事


誕生日に息子からバースデーカードをもらった。素敵なカードに細君が下半分、息子が上半分を使って書いてある。毎年誕生日には心のこもったカードを2人からもらえるので、楽しみにしている。

「パパへ、入学祝いの自転車をどうもありがとう。お誕生日おめでとう。ガンバリマス。中学校では色々チャレンジして行きたいと思います。これからも一緒にガンバリましょう」とあった。

これを読んではっとした。息子は色々チャレンジしてみたいと言う。今まで水泳一色でやってきたが、その前は、キャッチボールをしたり、スケボーで一緒に転んだり、サーフィンをしたり、ビリヤードを教えたり、旅行で色々なところを見て回ったり、何でも吸収して欲しいと、出来るだけ多くの事を一緒にやってきた。

ところが水泳選手としてタイムを追いかけるようになってから、それを中心に生活が回り始めた。年末年始も夏休みもなく水泳、水泳。好きで泳いでくれるから良いが、そのために犠牲にしたものは数多い。怪我をしそうなものは駄目、風邪をひきそうな事は禁止。とにかく今のタイムを0.1秒でも切れる努力をすることに専念してきた。このまま中学、高校と水泳まっしぐらでオリンピックを目指す、という大きな目標に向かって走っていた。

今でもそれが目標であることに変わりはないのだが、まだまだ一つの事に限定してしまうには早過ぎるのかもしれない。他にも可能性はたくさんある。いろいろチャレンジしてみたらもっと素晴らしい才能が開花する事だってあるかもしれない。本人もまだまだやってみたいことがたくさんあるようだ。マサイが小学生の頃にテレビで見た「巨人の星」の一シーンを思い出した。大リーグからやってきたオズマが星飛雄馬に「おまえは、野球以外に何か出来るか?」と聞く。聞かれた方は今まで野球しかやってこなかった自分に気づいてはっとする。この物語の場合は、親にやらされて来たという印象が強い。それは気をつけなければいけない。

エレミヤ書10:23
主よ。私は知っています。人間の道は、その人によるのでなく、歩くことも、その歩みを確かにすることも、人によるのではないことを。

中学に入って3週目に体力テストをした。結果、ソフトボール投げは学年で1位、1,500m走は学年で2位だった。背は決して大きい方ではないし、二次成長はまだ始まっていないというのに、鍛え上げた基礎体力はすごい。

部活動は本入部の前に7日間のお試し期間がある。その間普段接してないスポーツなどに自由に参加する事が出来る。息子は水泳部に入る為にこの中学へ越境してきている。どうせ水泳部に入るのは決まっているし、「仮入部期間は来るな」と先輩に言われているので、他を回ってみた。

まずは天気が安定していないので、体育館で出来るものをとバドミントン部へ行った。これは良かったらしくて、帰って来てすぐにラケットを買ってくれとねだられた。すごく楽しくて、すごく疲れたと言う。普段泳いでいる時に使わない筋肉を使ったらしい。

2日目はまた雨模様なので卓球部へ。ちゃんとやらせてもらえたようで楽しかったと言う。やっと晴れた3日目は野球部。これは残念ながら期待の方が大きかったようだ。

4日目は吹奏楽部。テナーサックスが吹きたかったのだが、先約がいたらしく、アルトサックスを吹かせてもらってきた。ちゃんと音も出て気に入ったらしい。息子は小学校の卒業間近の演奏会でムソルグスキーの「展覧会の絵」から「キエフの大門」を皆と合奏した。その時にティンパニーを叩いて以来オーケストラが気に入っている。運動は運動として、趣味で音楽をやってみたいと言う。この部は男子が2人しかいないので、「入ってくれるのか?」と聞かれたらしい。

5日目は剣道部へ。マサイが朝、竹刀の握り方だけを教えておいたが、竹刀を持ったのは初めて。たまたまこの日は部活動の保護者説明会で細君が学校へ行っていた。「あの子うまいね〜、慣れてるね〜」と回りのお母さんが息子を見て囁いている。顧問の先生も「慣れてますね」という返事。いいえ、うちの息子なんですけど、竹刀を持ったのは初めてなんです、と細君は心の中で思ったと言う。息子は竹刀の振り下ろしに普段使わない筋肉を使ったので、しばらく腕の筋肉痛がとれなかった。

どうしてもテナーが吹きたくて6日目はまた吹奏楽部へ。しかしまた駄目で、今度はバリトンサックスを吹いてきた。

最終日は陸上部へ。学校の回りを走ったのだが、いつも自主トレで走っている距離より短いのでそれほどきつくなかったようだ。水泳部でなかったら陸上部が第2希望なので、楽しかったらしい。帰って来て言うには、やはり音楽より体を動かす方が好き。趣味での楽器ならいつからでも始められるので、今は運動を選ぶと言う。

サッカーとバスケットへ行きたがらなかったのは、小学校でやっていた子とのレベルがあまりに違いすぎて、スピードで劣ってしまうのがいやだからと言う。バレーボールは人数が少ないので、行ったは最後、放してもらえそうもないので行かなかった。どの学校にでもありそうなテニス部はない。ということで、行きたいところは全て行かれた。

めでたく本入部では水泳部に入ったわけだが、お試し期間に貴重な経験が出来た。随分世界が広がったようだ。今後もいろいろなことにチャレンジをして、いろいろなことを吸収して欲しい。親がその進路を狭めないように気をつけて、努めて広げてやろうと思う。

ピリピ人への手紙2:13
神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行なわせてくださるのです。

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