「ダビデとナタン:成長に導く助言」
サムエル記第二 12章

船橋エクレシアキリスト教会 小林智彦

【謙遜な人の特長】

箴言は聖書の中で私たちに多くの実際的な知恵を与えてくれます。優れたビジネスマンが箴言から得た知恵を活用しています。箴言は成功する者の心の態度は謙遜であり、へりくだりだと教えています。
自分の心が謙遜であるか、へりくだっているかはどうやって知ることが出来るでしょうか。謙遜でへりくだっている心の特徴、それは人の意見を聞くことが出来 ることです。助言や忠告、自分とは異なる意見も聴くことが出来る、これが謙遜な心の特徴です。自分の問題や弱さを打ち明け、自ら進んで優れた助言を求める なら、その人は本当にへりくだった人です。その人は必ず成功し、人生の勝利者になります。(箴言24:6)

しかし高ぶっている人、プライドのある人は人の意見を聞けません。自分が一番正しいと思っているから、人の意見や助言、まして忠告など聞けないのです。特に自分が問題だと思っていることには、少しでも触れて欲しくない!
だから問題に触れないような人、当たり障りのない会話しかしない人、自分に都合の良いことしか話さない人としか交われなくなります。結局、自分の問題、弱 さ、本音を隠したままでは、深い人間関係は持てません。箴言は教えています。心の高ぶりは私たちを滅びに導くと。(箴言18:12節)

皆さんは自分の弱さ、問題をさらけ出し、優れた助言を求めているでしょうか。それとも、だれの前にも有能な自分、強い自分、問題のない自分を装い、助言を与えてくれる本当の友人を退けてはいないでしょうか?
皆さん、本当に強い人間、成熟した人間とはどのような人でしょうか?間違いを犯さない人でしょうか?失敗しない人、弱さ、問題のない人でしょうか?
そうではありません!それは映画か漫画のヒーローだけです。本当に強い人、成熟した人とは自分の弱さ、自分の失敗を隠さない人。過ちを認め、そこから学ぶことの出来る人です。
本日はダビデとナタンの関係から、私たちを成長させる助言について学びましょう。

【聖書箇所:第二サムエル12章1節から9節、13節】

12:1 主がナタンをダビデのところに遣わされたので、彼はダビデのところに来て言った。「ある町にふたりの人がいました。ひとりは富んでいる人、ひとりは貧しい人でした。
12:2 富んでいる人には、非常に多くの羊と牛の群れがいますが、
12:3 貧しい人は、自分で買って来て育てた一頭の小さな雌の子羊のほかは、何も持っていませんでした。子羊は彼とその子どもたちといっしょに暮らし、彼と同じ食物を食べ、同じ杯から飲み、彼のふところでやすみ、まるで彼の娘のようでした。
12:4 あるとき、富んでいる人のところにひとりの旅人が来ました。彼は自分のところに来た旅人のために自分の羊や牛の群れから取って調理するのを惜しみ、貧しい人の雌の子羊を取り上げて、自分のところに来た人のために調理しました。」
12:5 すると、ダビデは、その男に対して激しい怒りを燃やし、ナタンに言った。「主は生きておられる。そんなことをした男は死刑だ。
12:6 その男は、あわれみの心もなく、そんなことをしたのだから、その雌の子羊を四倍にして償わなければならない。」
12:7 ナタンはダビデに言った。「あなたがその男です。イスラエルの神、主はこう仰せられる。『わたしはあなたに油をそそいで、イスラエルの王とし、サウルの手からあなたを救い出した。
12:8 さらに、あなたの主人の家を与え、あなたの主人の妻たちをあなたのふところに渡し、イスラエルとユダの家も与えた。それでも少ないというのなら、わたしはあ
なたにもっと多くのものを増し加えたであろう。
12:9 それなのに、どうしてあなたは主のことばをさげすみ、わたしの目の前に悪を行なったのか。あなたはヘテ人ウリヤを剣で打ち、その妻を自分の妻にした。あなたが彼をアモン人の剣で切り殺したのだ。

12:13 ダビデはナタンに言った。「私は主に対して罪を犯した。」ナタンはダビデに言った。「主もまた、あなたの罪を見過ごしてくださった。あなたは死なない。

【ナタンの助言を受け入れたダビデ】

ダビデは大変な罪を犯しました。姦淫と殺人の罪です。ウリヤの妻バテシバの美しさに負けて姦淫を犯した。その罪が発覚するのを恐れてダビデに忠誠を尽くしていたウリヤを殺害してしまう。
もしダビデが悔い改めず、罪をそのままにするならばサウル王のように滅びたでしょう。いくら神がダビデを愛していても、ダビデが罪を隠し、罪を愛するなら、義なる神はダビデを受け入れることが出来ません。

罪の暗闇に沈み込んでいくダビデに、彼の犯した罪の大きさを悟らせ、義の道に立ち返らせるために主が用いられたのはナタンの優れた助言でした。ナタンの優れた助言によってダビデは自分が犯した罪の大きさを悟り、それを告白し、悔い改め、罪の滅びから救われたのです。

ここで角度を変えて見ましょう。ダビデは確かに大変な罪を犯してしまいました。しかしダビデにはナタンの助言を受け入れる、謙遜でへりくだった心があったのです。

ダビデはバテシバの罪が発覚することを恐れて、ウリヤを殺した人間です。彼はナタンを殺害することも出来ました。そうしたら彼のスキャンダルは聖書には載らなかったかもしれません。彼は自分のプライドを保つことが出来たかもしれません。
しかしダビデが助言を退け罪を隠したままならば、彼はさらに大きな罪を犯したでしょう。その後の彼の働きも無かったでしょう。罪を隠し、助言を退ける者が神に用いられることはあり得ないからです。

ダビデはナタンの助言を受け入れました。へりくだり、神の御言葉に従ったのです。彼は自分の罪を告白し、悔い改めました。彼は二度と同じ罪は犯しませんでした。何故なら彼は自分の罪を明らかにし、過ちから学んだからです。

皆さん、問題を抱え、継続的に犯してしまう罪があるならどうぞ隠さないでください。ともに祈り、優れた助言を与えることの出来る、クリスチャンの友人を求 めて下さい。優れたメンター(助言者)を持つことで、謙遜になり、罪に勝利し、滅びから免れます!一対一の弟子作りを通し、霊的な成熟と罪に勝利するクリ スチャンライフを送りましょう。一対一の弟子作りを始めていない方、今日から始めましょう。助言者を求めましょう。

【助言者がいないために滅びた人々】

ダビデは優れた助言者ナタンによって、滅びから免れました。聖書には優秀であっても助言者がないため、また偽りの助言よって滅びた王が幾人も登場します。 アブシャロムも偽りの助言のために滅びました。ソロモンには助言者がいません。その子レバベアム王も優れた助言を与えた長老を退けたために、国は分裂しま した。

【優れた助言者になるには:ナタンから学ぶ】

次に私たちはナタンから優れた助言者になるためのポイントを学びましょう。まず私達はへりくだって自ら助言者を求めましょう。次に、私たちは自ら進んで優れた助言を与えることの出来る、誰かのメンターになりましょう。

「私の兄弟たち。あなたがたのうちに、真理から迷い出た者がいて、だれかがその人を連れ戻すようなことがあれば、罪人を迷いの道から引き戻す者は、 罪人のたましいを死から救い出し、また、多くの罪をおおうのだということを、あなたがたは知っていなさい。」:ヤコブ5章19.20節

私たちは主にある兄弟姉妹を迷いの道から引き戻す責任が与えられていると確信します。私たちは進んで誰かのメンターになりましょう!進んで優れた助言を与えましょう。

【ナタンに見る、優れた助言者の条件】

(1) 最高のメンター(助言者)、それは聖霊様!
優れた助言者になるには聖霊様に満たされることが最も大切です。ナタンは預言者でした。預言者は聖霊様と神の御言葉に満たされた人です。御言葉を蓄え、実践すること。祈りを通して聖霊様と親しい交わりを持つことが大切です。

(2) 神様から遣わされている確信。
「主がナタンをダビデのところに遣わされたので」12章1節
優れた助言は神様からのものです。主が私を遣わされた!この確信を主から頂きましょう。その徴は心の平安です。不安やあせり、無理があるならまず祈りましょう。

(3) 愛を持って真理を語る。(エペソ4章15節)
愛を持って真理を語るとは、相手の状態を理解し、相手が受けいられるように、受け入れられる範囲の真理を語ることです。ビーフステーキが栄養があるからと言って、生まれたばかりの赤ん坊に食べさせる人はいません。しかし、このような間違いを私たちはよく犯します。
ナタンはいきなり真理でダビデを突き刺すことはしませんでした。彼は羊の喩えを持って、また神の恵みを示してから、罪の重さを悟らせたのです。

(4) 裁きではなく、悔い改めに導く。
『ダビデはナタンに言った。「私は主に対して罪を犯した。」』:12章31節
助言の目的は、相手を悔い改めに導くことです。神様の恵みに頼らせることです!相手の罪を責めたり、無理な課題を押しつけることは助言ではありません。主にある、本当の姿(圧倒的な勝利者)に立ち返らせることが助言者の役目なのです。

(5) キリストへの愛(自分の利益を求めない)。
助言者になる動機はキリストへの愛です!